眼瞼下垂手術

眼瞼下垂とは

  • 当院では年間約90件のペースで手術しています
  • 当院ではメスを使わず炭酸ガスレーザーで手術しています

まぶたが十分に上がらない状態のことをいい、眉を挙げる筋肉を無理に使ったりするようになります。乳児の場合、下垂があると目がよく見えないため弱視・斜視を起こすことがあります。

眼瞼下垂手術
症状の進行度
症状の進行度
原因

先天性と後天性に分けられます。後天性には老人性・重症筋無力症・動眼神経麻痺・パーキンソン病・脳動脈瘤・コンタクトレンズの長期装用・糖尿病などが挙げられます。

症状
  • 眼が開けにくい
  • まぶたが重い
  • 眼を開けると額にしわができやすい
  • 夕方になると額や目の奥が痛くなる
  • 肩こり・頭痛・首の痛み・冷え性・うつ状態が出やすい
  • 涙が出る
治療

先天性・老人性・コンタクトレンズの長期装用では手術、重症筋無力症・動眼神経麻痺・糖尿病・脳動脈瘤・パーキンソン病では原因となる疾患の治療が行われます。

以前の下垂の手術では,まぶたを上げるだけと考えられていた。現在では開瞼機能低下が頭痛・肩こり・首の痛み・冷え性・不眠などの不定愁訴を合併することが多く、下垂手術が交換神経過緊張を緩和するため血行・代謝が良くなり、それらの不定愁訴に卓効を示すことが多いと考えられている。

原因疾患と治療

1. 先天性(片側性または両側性)

生まれた時から、筋肉や神経に何らかの障害がある為にまぶたが十分に上がらない。

治療 メガネ処方または、手術療法
2. 加齢性(片側性または両側性)
症状 視野が狭くなる。無意識に眉毛を挙上してまぶたを開こうとして眉やおでこの筋肉にいつも力を入れている事により、首~肩のこり、痛み、頭痛、冷え性、うつ状態など様々な症状を引き起こす。
治療 手術療法
3. ハードコンタクトレンズの長期装用(片側性または両側性)
症状 加齢性の項参照
治療 手術療法
4. 重症筋無力症(片側性または両側性)
原因 体の中に抗アセチルコリンレセプター抗体という抗体ができ、これが筋肉の膜のアセチルコリンレセプターに結合するため筋肉が弱くなる。
症状 疲れた時に症状が出やすい(繰り返し筋肉を使うと脱力感や疲労感が出現する)
朝や休んだ後は症状が軽く、昼から夕方にかけて症状が憎悪する(日内変動がある)
眼瞼下垂(まぶたを冷やすと上がる)
複視(二重に見える)
治療 抗コリンエステラーゼ薬、ステロイド薬、免疫抑制薬などの内服治療
5. 動眼神経麻痺(片側性)
原因 脳梗塞、脳動脈瘤などで眼瞼挙筋を動かすための神経に障害が生じる
症状 複視(二重に見える)
散瞳(対光反射が消失ないし減弱)
治療 動脈瘤は緊急手術
6. ホルネル症候群(片側性)
原因 視床下部から眼球まで走行する頚部交感神経路に障害が起こると生じる
症状 軽度の縮瞳(対光反射は正常)
軽度の眼瞼下垂
眼瞼狭小
7. 眼瞼けいれん(両側性または片側性)

不随意的にまぶたを上げることが出来なくなる(ジストニア)

原因 ストレス
抗うつ剤、睡眠導入剤、安定剤などの長期服用
本態性眼瞼けいれん(原因不明)
シックハウス(有機溶剤によるもの)など
症状 眼を閉じる筋肉の力が強すぎて眼を開けることができない本態性眼瞼けいれんでは突然まぶたが閉じ、しばらくの間まったくあけられなくなる
ドライアイ症状(眼がごろごろする、重い、しょぼつく など)
まぶしさ。眼を閉じているほうが楽。車の運転などで、突然目が開けられなくなる。うつなどの精神症状。
治療 ボツリヌス注射
手術(眼輪筋の切除)
対症療法/ドライアイに対してはサングラスをかけるなど下垂が気になるようであればスクラッチメガネまたは手術療法
8. 甲状腺機能亢進症(甲状腺眼症)
原因 甲状腺ホルモンの過剰な分泌
症状 本来、眼瞼下垂ではなく眼瞼が挙上するので、症状の起きていない方のまぶたが下がったようにみえる
眼球突出
下方視による瞼裂開大(まぶたの開きが大きい)
その他、発汗、動惇、頻脈、微熱、体重減少、食欲亢進、疲労感、イライラする、手指のふるえ、月経異常 など
治療 薬物療法
アイソトープ治療
手術療法
9. 眼瞼皮膚弛緩症

まぶたの皮膚がたるんで、まぶたが下がったようにみえる

治療 手術で皮膚のたるみをとる
10. その他

ミトコンドリアミオパチー
筋強直性ジストロフィー など

当院で使用している炭酸ガスレーザー

炭酸ガスレーザー手術装置 LAZERY-15Z

現在メスでの手術が主流ではあるが、当院ではメスを使わず炭酸ガスレーザーを用いて手術を行っております。炭酸ガスレーザーを使用することにより止血と凝固をしながら組織を切開することができる為、出血が少ない手術を行うことができます。

機器詳細

手術について

手術

1.炭酸ガスレーザーにて皮膚を切開、瞼板を露出し、眼瞼挙筋腱膜を剥離
2.Müller筋を露出
Müller筋を露出
3.Müller筋へのタッキング(筋肉を縫い縮めることで、筋肉を増強させます)
Müller筋へのタッキング(筋肉を縫い縮めることで、筋肉を増強させます)
4.タッキング後
タッキング後

眼瞼下垂手術 術前・術後写真