単焦点レンズについて
白内障手術に使用する眼内レンズには、単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの2種類があります。単焦点眼内レンズはその名が表すとおり、1つの距離に焦点を合わせた眼内レンズのことです。単焦点眼内レンズを入れた後は白内障のにごりがなくなり非常に明るくなり見やすくなりますが、1つの焦点しか合わないため、手元の新聞も、遠くの看板も両方の距離がくっきりと見えるという訳ではありません。近く(手元の距離)に焦点を合わせた眼内レンズを入れた方は、手元は眼鏡なしでよく見えますが、運動する時や、知らない町を歩く時には、遠距離用のめがねが必要となります。逆に遠く(数メートル先)に焦点を合わせた方は、運動する時や、知らない町を歩く時には裸眼で平気ですが、読書をする時などの手元を見る際に近距離用のめがねが必要となります。
単焦点の眼内レンズ
乱視矯正レンズ
現在の白内障手術では術前検査の機械の精度が良くなったため、遠視や近視のみの方は術後の裸眼の見え方がとても良くなりました。
乱視用眼内レンズは乱視が強い方へ適応します。
術前から患者様が持っていた乱視を軽減することができ、乱視の矯正も同時に行える為、見え方の質が良くなり、より良い視力が得られるようになりました。
当院では約20%の方が乱視用眼内レンズを挿入しています。
TECNIS Eyhance (AMO社)
単焦点レンズです。 従来の単焦点レンズの中心部約2.0mmに、+0.5Dのなだらかな加入部分を設けることで、遠方から中間距離まで明視域(ピントが合う範囲)を広げます。
単焦点レンズとアイハンスのデフォーカスカーブの比較
アイハンスはなだらかな焦点深度曲線を示します
独自の光学部デザイン
光学部に回析リングやゾーンの急激な変化は視認されず、外観上は従来の単焦点レンズと区別がつきません。
高次の非球面構造により、遠方視力を維持したうえでなだらかな焦点深度曲線を示します。
眼全体の球面収差をほぼゼロに抑えながら、レンズの中心部分で連続的にパワーを増加させています。
- ・少数視力1.0以上
- 従来の単焦点レンズと同等の遠方視力を提供します。
- ・夜間光視症の抑制
- 従来の単焦点レンズと比較して、ハロー・グレア・スターバストの発生率と程度は同等です。
- ・薄暮下における高いコントラスト感度
- 瞳孔径が拡大する薄暗い環境下でも高いコントラスト感度を維持します。
- ・乱視用もあります
- ・パワー
- S:+6.00D~+30.0D (0.50刻み)
- C:+1.03D +1.54D +2.06D +2.57D +3.08D +3.60D +4.11D