眼圧の測定方法と緑内障について
2024年8月6日
緑内障は「眼圧」が高いためにおこる疾患ですが、個々人の測定値としての「眼圧」を考えると
①眼圧は高いが緑内障ではなく、治療も必要ない人がいる
例[眼圧22mmHgだが緑内障ではなく、治療の必要はない]
②眼圧は低いが緑内障で、治療が必要な人がいる
例[眼圧15mmHgだが緑内障(正常眼圧緑内障)で治療が必要]
の2つは注意すべきことです。特に日本では開放隅角緑内障のうちの正常眼圧緑内障(眼圧≦ 20mHg )の方が多いので注意が必要です。
また、眼圧は多くの事に影響を受けますし、1日の中でも変化があります。
その方個人にとって、自身の眼圧測定値が高いのか適切なのかが焦点になります。
眼圧測定法
眼圧は眼内の圧力のことですが直接測定できないため角膜に空気や器具を当てて予測します。
主に3種類の眼圧測定法があります。
- GAT(Goldmann applanation tonometry: ゴールドマン圧平眼圧計)
眼科で緑内障にて必ず行う、スタンダードな方法
メリット- データが極めて多く存在し信頼性が高い
- 点眼麻酔が必要(直接角膜に当てて測定)
- 角膜厚、角膜形状、涙液等に影響を受ける
低 | ⇔ | 高 | |
---|---|---|---|
角膜厚 | 薄い | 520㎛が基準 | 厚い |
形状 | 平坦 | 7.8㎜が基準 | 急峻 |
涙液 | 少ない | 多い |
- i Care(詳細はこちら)
極小軽量のチップを角膜に当てることで測定
メリット- 麻酔が不要
- GAT によく相関
- 仰臥位でも測定可能
- 角膜形状は影響(ー)
- 角膜厚影響あり
- 若年者では高値提示傾向
- 自動眼圧計
主に健診で使用される、角膜に空気を当てて眼圧を予測
メリット- 麻酔が不要
- 非接触デメリット
- 不確実なことが多く、あくまで参考程度
緑内障は視神経、視野の所見で診断します。40 才過ぎたら年一回の眼科検診をおすすめします。