眼科便り

スマホ内斜視

2024年11月22日

10代に多く、過度の近方作業により発症する後天発症の内斜視
(持続的な近方作業により外転筋弛緩により内斜視が生じる)
近視眼(−3Dを超える近視が約8割)に多くみられるが、遠視眼にも発症し得る
眼球運動障害(麻痺)や頭蓋内疾患はみられない

<発症様式>
急性(ある日突然)発症というより、間欠性から増悪し、恒常性となることが多い(複視や外見で来院される)
まずは遠方視で間欠性の複視が生じ、のちに遠近ともになる
近年若年者に多くみられ、デジタルデバイスの過剰使用の関与が疑われている(一度なるとなかなか治りにくい)

<治療>

適切な眼鏡
生活習慣指導(デジタルデバイス使用について:使用時間の短縮、視距離を30cm以上離す、休憩を挿みながら使用)
※これでは治らないことが多い

プリズム眼鏡処方
A型ボツリヌス毒素(BTXA)注射 (12歳以上のすべての斜視に保険適応)

メリット:侵襲が少ない、症状固定を待たずに介入可能
デメリット:定量性に乏しい、一過性眼瞼下垂・上斜視の副作用

斜視手術

※一度生じるとなかなか治らず、BTXA(ボトックス)注射や内斜視手術が必要となることが多いので予防が重要。日常生活において近視進行予防と同じような注意(上記治療一番目の項目)が必要です。