眼科便り

2024年3月27日

閉塞隅角緑内障

〇正常な眼球では
[毛様体(蛇口)]
   ⇓
[隅角(下水口)]
という房水の流れが、バランス良くおこなわれることで眼圧が21未満に保たれます。

〇閉塞隅角緑内障では
[隅角が狭い、または閉塞]
   ⇓
[眼圧上昇]
   ⇓
[視野障害進行]
  という状態になります。

開放隅角緑内障より早く視野狭窄などの症状が進行
   ⇓
 白内障手術などの治療をなるべく早く行う

◎原因
 ・眼球が小さい(遠視眼)
 ・白内障
 ・毛様体前房偏位(plateau iris)
 ・硝子体圧上昇(悪性緑内障)
など

◎分類:Foster分類

 ①PACS (原発性閉塞隅角疑い)
隅角閉塞
→ 疑い
眼圧上昇、周辺虹彩前癒着
→ ない
緑内障(視野変化)
→ ない
白内障手術適応
→ ない
 ②PAC  (原発性閉塞隅角症)
隅角閉塞
→ ある
眼圧上昇、周辺虹彩前癒着
→ どちらかがある
緑内障(視野変化)
→ ない
白内障手術適応
→ ある
 ③PACG (原発閉塞隅角緑内障)
隅角閉塞
→ ある
眼圧上昇、周辺虹彩前癒着
→ ある
緑内障(視野変化)
→ ある
白内障手術適応
→ ある
◎治療:
白内障手術をすることで水晶体を除去し、隅角を広げることで房水の排出を多くして眼圧を下げます。
図 急性閉塞隅角緑内障(緑内障発作)
  • 突然眼圧が 70mmHg などに上昇し、視力低下、眼痛、頭痛、嘔吐、などの症状があらわれます。
  • 治療:虹彩レーザー、内服、点滴にて眼圧下降 → 早期に白内障手術
慢性閉塞隅角緑内障
  • 急性ほど眼圧の急な上昇はないものの眼圧上昇が続き、緑内障が進行する
  • 時に昼間眼圧正常→夕方から夜眼圧上昇のことがあります。
  • かすみ、頭痛、視力低下などの症状があります。
  • 治療:白内障手術

術後に十分な眼圧低下がなければ、トラベクレクトミー、PFM など緑内障手術