眼科便り

抗VEGF療法

2024年9月20日

抗VEGF療法 <第一世代と第二世代について>
AMD、DME、RVO(CME)、近視性CNV などの治療は抗VEGF療法が主流ですが4~5年前より新しい抗VEGF剤(ベオビュー、バビースモ、アイリーア(8㎎)、ラニビズマブBS)が登場しました。これらを第二世代抗VEGF剤、それ以前のアイリーア(2㎎)、ルセンティスを第一世代抗VEGF剤と呼んでいます。

AMD:加齢黄斑変性 DME:糖尿病黄斑浮腫 RVO:網膜静脈閉塞症
CME:嚢胞様黄斑浮腫 CNV:脈絡膜新生血管  

[適応]

第一世代 第二世代
ルセンティス アイリーア(2mg) ベオビュ バビースモ アイリーア(8mg) ラニビズマブBS
AMD
DME
RVO-CME    
近視性CNV      
作用部位 VEGF-A VEGF-A
VEGF-B
PLGF
VEGF-A
(力価ルセンティスの25倍)
VEGF-A
Ang-2
VEGF-A
VEGF-B
PLGF
VEGF-A

[第二世代の特徴(メリット)]

  • 第一世代で効果が減弱したり効果がない時、第2世代を使用することで効果がでる場合がある
  • 投与間隔を延長できる場合がある
  メリット デメリット
ベオビュー 分子量が小さい(力価が大きい ※1) 眼内炎  ※2
高価
バビースモ DME、RVO-CMEなどにより効果が期待できる 高価
アイリーア
(8mg)
アイリーア(2㎎)の4倍だが、
副作用は2㎎と同等
ラニビズマブBS ルセンティスと同等の効果
薬代が安い
 

※1 ルセンティスの25倍
※2 主にAMDの時、DMEの発症は少ない
   早期発見、ステロイドテノン嚢下注射、ステロイド
   点眼などの治療により多くは問題なく治る

[投与法]

  導入期(1/1M) 維持
RVO-CME 状態により
4~6週間隔で1~5回
PRN
AMD T&E
DME PRN
  • 状態によって
    変えることもあります。

維持期には

第一世代+ラニビズマブBS は 4 週以上

第二世代は       8 週以上

間隔を開けて投与する

TAE:Treat And Extend

(投与間隔を二週間延長し、治療を行い滲出が再燃すれば投与間隔を二週間短縮し、治療を行う)

PRN:Prorenata

(1~2ヶ月毎に来院していただき症状増悪時に投与を追加)